音読とは何か、脳にどんな効果があるのか?練習方法やコツをまとめました

音読とは何か、脳にどんな効果があるのか?練習方法やコツをまとめました

jackmac34 / Pixabay

音読をすることで脳にどういった効果があるのでしょうか。また音読とは一体どういったものなのでしょうか。今回は音読について知っておくと役に立つことをまとめました。

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音読とは

音読とは文章を声に出して読み上げることです。活字を目で追いながら声に出し、耳で聞くことです。文部科学省のサイトには「声に出して読むことは広く『音読』である。」と書かれてあります。

文章を声に出して読めばよいので、情景や登場人物の感情を表現する必要はなく、発音や間のとり方なども気にせず、ただひたすら声に出しながら読みます。声のボリュームは環境や状況に応じて調整します。

発声の必要があるので難しい漢字も平仮名に変換して読み上げる必要がありますが、必ずしも内容を理解する必要はありません。

音読は江戸時代末期から明治の始めまで、どこでも日常的に行われていました。寺子屋・学校や図書館・寮や学校で皆で楽しく音読し、家では家族で音読が行われている光景があったようです。

やがて音読がありふれた時代に、単調な演説を楽しんで聞いてもらおうとメロディーをつけたのが演歌(演説の歌)になったそうです。

このように昔は「音読とは知識や情報を周囲に知らせる手段」だったのです。

しかし、現代になり「自分のために勉強したり、個人的な知識の吸収に活字を使う」ように変化しだしたので、音読より黙読が増えていったのではないかと以下のサイトで考察してあります。

江戸時代末期から明治にかけての書生たちの勉強の方法は、漢籍の音読、暗唱です。 なぜ、音読は衰退していったのか? - るいネット

行政機関が定義する音読はどうなっているのでしょう。文部科学省のサイトによると

「音読」は、正確・明晰・流暢(正しく・はっきり・すらすら)を目標とする。 7 音読・朗読:文部科学省

と書かれてあります。他人に情報を伝える意味が大きいようです。

しかし脳を鍛える目的ならば、学校で行った音読のように厳格である必要はないので、漢字の読み間違いをしたり、声が小さくても問題ありません。

「読み方」の種類

音読以外にどういった種類があるのでしょうか。

黙読

読んで字のごとく「声に出さずに文章を読むこと」です。頭の中で音読するわけではなく、意味を理解しながら文章を目で読みます。

音読と違って発声の必要がないので短時間で多くの文章を読むことが可能です。音を出さないので図書館や電車の中で有用です。現代社会では音読より黙読する人が多いです。

朗読

感情を込め文章を声に出して読むこと。物語であれば登場人物のキャラクター性を出しながら心情を表現します。高速で読み上げるのには適していません。主に小学校高学年で指導されていました。

視読

文字を塊として視覚で認識しながら文章を読んでいくことです。

速読

文章を早く読み上げること。飛ばし読みや斜め読みを行わず、一度に広い範囲を認識しながら、従来の何倍もの速度で読みます。膨大な文章を短時間で理解したい時に便利な方法。

音読の効果

朝礼の時に音読させられる社訓って時間が経っても丸暗記していませんか?小学校低学年の時に音読させられた昔話って覚えてますよね?難しい文章で書かれた契約書や説明書を理解しようとするとき、無意識に音読していませんか?

教科書を丸暗記した人に記憶術のコツを聞くと「何十回も音読した」と答えました。英語が得意な人は音読は必要だと言っていました。

音読は視覚・聴覚・声を使い、インプットとアウトプットを同時進行する高度な学習法であり、頭がよくなる脳トレとして注目されています。黙読より脳で処理できる情報が増えるので、より多くの情報を記憶しやすくなります。

音読はどういった効果があるのかご紹介します。

脳の活性化

思考している時や計算問題を解いている時よりも脳は広範囲に働き、血流が良くなり活性化します。記憶力も2割ほど上昇するというデータも得られたそうです。小学校の時にやらせられた音読は意味があったんですね。

音読は創造性や思考力を司る前頭前野と、記憶力に関係する海馬をトレーニングすることができます。とくに前頭前野は年をとると機能が低下しやすいので、年配者ほど行いたいトレーニングです。

右脳

左脳は記憶容量が少ないので覚えるのが苦手です。長期的な記憶をする場合は右脳を使うと効率的に記憶できます。音読は右脳の働きによるものです。

右脳は図形や映像などのイメージの記憶を高速で処理できます。音読をするとイメージで覚えるので長期的な記憶に結びつきます。よって長期的な記憶をする場合は音読を行うと覚えやすいということになります。

頭がよくなる

加齢とともに脳機能の低下が起きるのは生物の宿命といえます。しかし脳は使うと神経細胞が増え記憶力も高くなるので、脳の機能低下を緩和できます。そこで脳トレなどが必要になってくるのですが、その中でも音読は最高のトレーニングになります。

音読をすると判断力や思考力を司る前頭前野が活性化するので当然ながら頭がよくなります。前頭前野は記憶や判断力・アイデアを司るところで、大脳の3割を占めています。

また、やる気や集中力も上がるので短時間でも密度の濃い学習が可能となります。

滑舌がよくなる

アナウンサーやナレーターのように、一つ一つの音をしっかり聞き分けられる話し方を「滑舌がいい」と表現しますが、滑舌が悪いと登壇やプレゼンなど大切な場面で言いたいことが伝わりにくくなります。

正しい音読を繰り返すと、言葉をハッキリ言えるようになり滑舌がよくなります。背筋を伸ばして腹式呼吸(息を吸うときに横隔膜を下に下げる)を行い大きな声ではっきりと素早く音読することで、言葉にハリが出たり、聞き取りやすくなる効果があります。

また、普段口呼吸をしている人は滑舌が悪くなるそうです。意識的に鼻呼吸をするようにしましょう。

吃音

吃音症(きつおんしょう)は、いわゆる「どもり」のようにスムーズに話し言葉が出てこず、滑らかに話すことができない症状です。どもるようになると人前で文章を読むのが困難になります。

音読はどもりを改善する効果があります。発声練習を兼ねて音読をしたり、電話でもよいので色々な人と話したりする訓練によって改善につながる場合があります。

adhd

ADHDの人の前頭葉は通常より小さく血流も少ないと言われています。音読は前頭葉を鍛える効果があるのでadhdの改善にも期待されています。

少し前の話ですが、私はメンタルクリニックでadhdと診断され「お酒をやめて、サインバルタを飲んでください」と言われました。言われたとおり実践したのですが、結局物忘れは改善しませんでした。

その後自分で色々と試したのですが、音読が一番効果があったように思います。具体的には、物忘れが減り、同じミスをしなくなったりしました。

音読がADHDを治すというデータは見つかりませんでしたが、長期記憶と関係している右脳を鍛えることになるので、adhdの特徴である「忘れ物が多い」の部分に効果があったのだと考えられます。

しかし「落ち着きのなさ」や「そわそわする」症状は緩和されませんでした。

認知症

年をとると人と話す機会が減り、脳に刺激を与えることも少なくなり脳の機能は低下します。そして物忘れや新たなものを記憶することが困難になってきます。

認知症患者に音読を1週間に、数回ほど行ってもらった結果、音読していない患者と比べると認知機能の改善に成功したそうです。

東北大学未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授は、痴呆症の治療に道を拓く脳のリハビリ法を開発しました。特別な機器を一切使わず、声を出して文章を読む「音読」と簡単な算数の計算を毎日短時間行うだけで脳の機能が回復することを発見したのです。痴呆症の老人が数か月で日常会話や自分で排便・排尿ができるまでに回復しています。 脳のリハビリ法を開発痴呆症の治療に道拓く(基礎研究最前線)

なんと髪の毛が増えた人もいるそうです。不思議ですね。ともあれ音読を行ってもらうと、脳の機能が改善されることがあるので、認知症患者の方におすすめの脳トレですね。

うつ病

セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れてうつ病や不眠症になることがあります。他に集中力がなくなったり、くよくよしたり、依存症に陥るなど様々な症状を引き起こします。また感情のコントロールや記憶力にも影響を及ぼします。

音読をすると脳はセロトニンを出すので、うつ病に効果があるとされています。昼夜逆転の生活リズムを送る人やストレスが多い人はセロトニン神経が弱っている可能性があるので、ぜひ音読を習慣化してセロトニンを出すようにしましょう。

音読のコツ

何はともあれ、最初は無理のない速度で読み上げることです。最初から高速で音読しようとすると、息切れしやすくなるし、ストレスもたまるので継続できません。

そして少し大きな声でハキハキと読みます。これは呼吸をコントロールするためです。音読も武道と同じく「声」を重視することが大切です。大きな声を出すことにより、吐く呼吸の量が増え、自然に沢山の酸素を取り入れながら読むことができます。これで脳にも多くの酸素が運ばれるようになるので、頭の回転もよくなります。

次に内容を理解しやすいように、文節は区切りながら読みます。文節とは文章の意味が壊れないように短く区切った言葉を意味します。文節を区切らないと読みにくいし当然内容も頭に入ってきません。

音読をするときには姿勢を正すことが必要です。なぜなら姿勢を正すと空気が沢山胸に入るようになるので、脳に酸素が多く運ばれ、脳のパフォーマンスが良くなります。また心理学的に見ても胸をはると気持ちが晴れるといいますし、生物学的にみても姿勢がよい時のほうがテストステロンの分泌が増えるのでやる気が増し、目的を達成しやすくなるのです。頭が上から糸で引っ張られているようなイメージで背中を伸ばし、お尻の筋肉を引き締めてください。さらに肛門をキュッとしめると気持ちも引き締まり、前向きな気持ちで音読をすることができます。

音読を継続するコツは「楽しむこと」です。最初から長時間音読したり、義務的な気持ちで行うと楽しい気持ちが消えて継続できなくなります。無理のない時間を行い、どうやったら音読を楽しめるのか毎回工夫しながら読み上げると、案外続けることができます。

私が実践している音読の方法は「部屋の中をグルグル歩きながら専門書を音読をすること」です。有酸素運動は前頭葉によい刺激を与えるので、音読の効果がより一層高くなるのではという考えから実践しています。

音読の練習と教材

英語

英語で大切なのは英語の理解力とアウトプットする能力と言われていますが、こういった能力は英文を黙読するだけでは培われません。理解とアウトプットを同時に行う英語音読が有効です。

しかし英語音読は日本語音読と比べて少々方法が違います。英語に慣れてない人は、英語の発音や単語の意味やフレーズが分からないので、いきなり音読を試みたとしても英語の力を養うことはできません。

そして英語を音読する最大のメリットが「頭の中から日本語訳を消せる」ということです。単語や文法などを理解していることが前提となりますが、英文を黙読すると、自然に日本語が浮かんでしまいますが、音読をすることによって、英文とイメージが結びつくようになります。

英語音読の場合、急に音読を行うのではなく、単語やフレーズを暗記した上でネイティブ発音の練習、速読やシャドーイング・オーバーラッピングなど様々な練習が必要になってきます。

とはいえ、1つの文章を繰り返し音読し続ける英語学習法なども存在します。

高齢者向け

認知症予防になる音読ですが、高齢者向けの音読教材はどういったものがよいのでしょうか。高齢者向けの音読教材は、写経や英文のように意味が分からないものは駄目です。写経を習慣のように唱えていた高齢者が認知症になった例も沢山あります。例えば、昔話や簡単な絵本などでよいので、意味が分かるものがよいです。

まとめ

以上、音読とは一体どういったものなのか、どういった歴史があり生まれたのか、また脳に与える影響はどんなものなのかをまとめました。音読は毎日行って効果が少しづつ出るものです。小学生の頃にやらされたように義務的に行うと続けることが難しくなります。歩きながら、もしくは声のトーンを変えてみたり、素早く読んでみたり毎日違う方法で行い楽しむとよいでしょう。音読はいかに楽しめるのかというところが鍵となります。この記事を読んで「音読のメリット」がどのようなものなのか、ご理解いただけると幸いです。

記事作成日: 2016年11月14日 /

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