マキャベリの君主論を読んで学んだこと | スリムキュー - slimqu
経営者にとって「君主論」と「貞観政要」は教科書だ、という話を聞くので最近読むようにしています。
マキャベリの君主論は、経営者なら一度は読んでおきたい本です。
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「上に立つ者」なら必ず読んでおきたい本。冷酷なイメージのあるマキャベリの君主論だが、実際読んでみるとそうでもない。人間の本質を淡々と解明し、権力を維持するための方法を分析してある。社長を目指す人や経営者なら役に立つだろう。
目次
罰は1回で行い、褒美は小出しにせよ
加害行為は一気にやってしまわなくてはならない。人にそれほど苦汁を舐めさせなければ、それだけ人の憾みを買わずにすむ。恩恵は、よりよく人に味わってもらうように、小出しにやらなくてはいけない。(君主論 P58)
減給や罰を与える場合は恨みを買わないように一回で行い、褒めたりする場合は長く恩を感じさせるように小出しにせよ、ということを書かれてあります。ネチネチ叱らずバシッと説教したら、後はいつも褒めろといった感じでしょう。
また、財産と名誉を奪わなければ、そうそう恨まれることもないと書いてあったのが印象的でした。恨みを買わず搾取するなら少しづつ分からないようにすればよい。逆に奪われないようにするには、自分の無知を知り、この世の仕組みを勉強することでしょうね。
人間は危害を加えそうな人から恩を受けると、普通以上に恩義を感じる
このフレーズも人間の本質的なところをついていて面白いです。普段は畏怖されるような存在でありながら遠巻きに優しさを出せ、とも解釈できます。ただ、怖いだけじゃなくて尊敬されるような普段の行動(品性や責任感)がないと説得力がないですもんね。普段厳しいけど、影でこっそり部下の尻拭いや客のフォローをしているとか。
何でも出来ると思われよ
君主は気質を何から何まで備えている必要はない。しかし備えているように思われることが必要である。(君主論 P104)
立派な気質を持っているより、持っているように思われることが必要だと書かれてあります。つまり、権力の維持にはグレーなことも必要になるので、常に正しい人間である必要はないということでしょう。とはいえ他人からは「立派な社長だ」と常日頃思われていなければいけません。
決断は撤回するな
君主が移り気で軽薄、女性的で決断力がないと軽蔑されると書いてあります。そして一度下した決断は撤回しないようにします。決断の変更は自信のなさから。
愛されるより畏怖される
人間は恐れている人より、愛情をかけてくれる人を傷つけやすい。人間はもともと邪まなものだから、利害が絡むと断ち切られてしまう。しかし恐れている人については見放されることはない。君主は愛されなくてもいいが、恐れられ恨みを受けることがない存在であるべき。(君主論 P99)
畏怖とは恐怖と尊敬が入り混じったような感じですが、畏怖される人は、総じて堂々としていて自信があり、品性があります。
人間は「負い目」があると自信がなくなり挙動不審になります。やましい事が1%もなく「自分に悪い部分は少しもない」という言動を取っていれば、交渉相手に対して優位に立てます。
貞観政要では経営者に必要なのは「品性」だと書かれています。社長であれば普段の生活習慣です。ギャンブル・女遊び・煽り運転など普段のだらしない生活を従業員や取引先に知られたら信用は薄くなり操作するのが難しくなるということです。
従業員だけじゃなくて、取引先やお客など「どこで誰が見ているか」分からないので普段の品性は大切にしましょう。
これは経営だけじゃなくて、しつこい電話営業相手でも応用できます。
例えば、営業の電話がかかってくるのですが、少しでも嘘や根拠がないデータを持ちかけてくる営業に対しては「ツッコミ」を入れるようにしています。
ケース1
営業相手:弊社○○という会社で・・・
俺:その前に、どうやってこちらの電話番号を入手されたのですか?
営業相手:○○というサイトでご登録があったようで・・・
俺:履歴は全てこちらで管理していますが、そういったサイトに入った記録はありません。先ほどのお話で嘘をおっしゃられたのですか?
お客・取引先・従業員など様々な人に対して言えることですが、上下関係で優位に立って、他人を操作しようとする場合、逆に「相手の負い目」を利用するとよいです。
上の例だと「営業の電話」をしてくる相手は、既に詐欺まがいのことをしているという「負い目」があるので、こちらが優位に立てます。後はこちらが、ドンドン追求していくといいです。
まとめ
・恩恵は小出しに、罰は一撃で
・ギャンブル・女遊びの癖がある経営者とは縁を切れ
・決断は撤回するな
・愛されるより畏怖される
・万能でなくてよいが、万能と思われよ
・悪い方法を学べ、たまに使え
記事作成日: 2014年12月10日 / 最終更新日:2016年4月25日
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